切らない痔の治療(ジオン注射法)について

主に出血、脱肛を伴う内痔核に対し、メスを入れないでジオンという注射を痔に直接して内痔核を固める方法です。当クリニックでは、麻酔は仙骨硬膜外麻酔で時間は約30分程度です。当日入院、翌日退院で痛みもほとんどなく、手術と同程度の効果が得られます。

どのようにジオン注射を投与するの?

ジオン注射を投与する前に肛門の周囲だけ効く麻酔を行い肛門周囲の筋肉を緩め注射をしやすくします。ジオン注射はひとつの痔核に対して図のように4か所に分割して投与します。これは痔核に薬液を十分に浸透させるための方法で、四段階注射法といいます。
複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。投与後しばらく点滴を続け、麻酔の影響がなくなるまで安静にする必要があります。

ジオン注射を投与するとどうなるの?

投与後の早い時期に痔核へ流れ込む血液の量が減り出血が止まります。脱出の程度も軽くなります。

→ 投与した部分が次第に小さくなり、引き伸ばされていた支持組織が元の位置に癒着・固定して、脱出がみられなくなります。(1週間~1か月)

痛くない痔の手術(PPH法)について

まず腰椎麻酔で肛門を拡げ、特殊な透明の肛門鏡を肛門に入れます。後は図のように直腸を遮断 し、これで痔の血管は上からの連続を絶たれ、痔の静脈瘤はしぼむという原理です。また手術する場所が直腸という痛みを感じないところであるので、術後の痛みがほとんどないのです。痛みがないため退院も早く、約3日から7日と従来の手術に比べて一段と短くなっています。

手術前

手術後

手術の方法